2018/3/17
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緑のまきばの物語 5 |
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5.羊と犬のお話し ある日、羊飼いのホープがひつじたちをまきばに出そうと かこいの方へ行くと、羊たちが真ん中に集っています。 見てみると、羊たちが小さな子犬を温めていました。 ホープはお父さんを呼んで来て、言いました。 「お父さん、この子犬、うちで飼ってもいい?」 「どうしたんだい?どこから来たんだ?」 「さっき、羊たちをまきばに連れ出そうとしたら、 この子犬がいたんだよ。」 「そうか。じゃあ、お母さんにも聞いて、いいと言ったら飼ってもいいよ。」 「ありがとう!聞いてくる!」ホープは走っていきました。 お父さんは、ホープのかわりに羊たちをまきばに出してやりました。 そして、羊たちにどうやって子犬が来たのかを聞きました。 羊たちは「ぼくたちが寝ていたら、この子犬が小さい声でなきながら ふらふら歩いてきたんです。 だから、ぼくたちは子犬を呼んで、小さなすきまから かこいの中に入れてあげたんです。」と答えました。 お父さんは「分ったよ。ありがとう。」 と言うと、家に向かって走っていきました。 家の中では、お母さんがホープの妹のラブに 「ラブ、かわいい子犬がうちに来るんだよ。」と話しかけていました。 ホープはお父さんに抱きつきました。 「子犬、飼ってもいいって!」お父さんは「良かったな!」 とホープの頭をなでてやりました。 みんなは、夜にやって来たから、子犬に〈ナイト〉という名前をつけました。 次の日、また小さな赤ちゃん羊がたんじょうしました。 子犬のナイトは小羊と一緒に寝たり、遊んだりして一緒に育ちました。 小羊の名前を決める時はナイトも一緒に考えました。 そして、いつもナイトと一緒にいてあまりにも仲がよいので、 〈フレンド〉と言う名前にすることにしました。 ナイトとフレンドは仲良くスクスクと育ちました。 牧羊犬になったナイトは、いつものようにまきばの丘の上で 日向ぼっこをしようとお気に入りの場所に行くと、 そこにはフレンドが寝転んでいたのです。 「なんで、ぼくの場所にいるんだ!」ナイトがそう言うとフレンドは、 「いつも気持ち良さそうに寝ているから、ぼくもここで寝てみたかったんだ。」 と答えました。「でも、ぼくがいつも寝る場所だよ。」 「今日はここにいさせて。お願いだよ、ナイト。」 「だめだめ。ぼくが見つけたんだから、ぼくの場所なんだ!」 するとフレンドは「ナイトのいじわる!」と言って丘を駆け下りて行きました。 ナイトは「なんでぼくの言うことを聞かないんだ!」と言って やわらかい草の上に横になりました。 でもいつもはとても気持ちいい太陽の光も、今日はなんだかさびしいし、 心の中がモヤモヤしています。 フレンドの心の中もモヤモヤしていました。 いつもは飛んでいきそうなくらいおいしい草も 今日は味気ない気がします。 「どうしたらいいんだろう?さっきケンカしてから、ずっとつまんないな。 どうしよう…。」 フレンドはしばらく考えてから、いいことを思いつきました。 「そうだ!イエス様にお祈りして、どうしたら仲直りできるか教えてもらおう!」 と言って一生懸命にお祈りを始めました。 ちょうどその時、ナイトも丘の上でお祈りをしていました。 しかも、フレンドと同じことを祈っていたのです。 その夜、2匹は同じ夢を見ました。 その夢の中でイエス様が言われました。 「けんかをすると相手も傷つくけれど、自分も傷つくんだよ。 それに、自分が正しいと思ってはいけないよ。これからは仲良くしてね。 みんな神様がお創りになられた最高傑作なんだからね。」 とニッコリ笑いかけてくれました。 次の日、ナイトはフレンドにあやまろうと羊の群れの方に走っていきました。 すると、群れの中から、フレンドも走ってきました。 「フレンド、きのうはごめんね。これからは一緒に丘の上で寝よう! きのう、夢を見たんだ!イエス様がね、仲直りしなさいって言われたんだ。 これからも友だちでいてくれる?」 「もちろん!ぼくも同じ夢を見たよ!ナイト、大好きだよ!」 その日から、2匹はは仲良く丘の上で日向ぼっこをするようになりました。 そして、いつもニコニコしながら一緒に遊びました。 ヨハネの福音書13:34 あなたがたに新しい戒めを与えます。互いに愛し合いなさい。 わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい。 箴言17:1 乾いたパンが一切れあって平穏なのは、ごちそうと争いに満ちた家にまさる。 |
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