2018/2/25

緑のまきばの物語 2

 
2.羊と宝物のお話
 
 
 
 
 羊の<ジェム>はある日とてもいいものを見つけました。
「やったー!ラッキー!そうだ、あの木のうろにぼくだけの宝物として入れておこう!」
と言って、牧場のはずれの小さな木のうろに、見つけた首飾りを大切にしまいました。
 
 
 しばらく経って、羊飼いの仕事をしていたホープのところに、
とても立派な馬に乗ってきれいな服を来た男の人がやってきました。
 
「私はここから数十キロ離れた人間の町の領主様の使いで来た。
少し前に、領主様は町の見回りをするついでに、
ハレルヤ森の近くまで遠出をしたのだが、
町に帰ってみると、肌身離さず持っていた大切な首飾りがなくなっていたのだ。
領主様はどこかで首飾りを落としてしまわれたようだ。
そこで、通ったところ、全てを探すように言われた。
 もし、おまえやお前の家族が持っていてすぐに差し出すなら、
私1人で十分だが、私が探して見つからない時は、
もっと大勢で探すことになる。」
とその男の人は言いました。
 
 
 ホープは「すみません。ぼくは見ていませんけど、
ぼくの家族が知っているかもしれないので聞いてみます。」
と言って、羊たちを囲いの中に入れると、
男の人を連れて家に帰りました。
 
 
 ホープの家族はみんな男の人をもてなしました。
男の人はホープの家族、お父さん、お母さん、お兄ちゃん、小さな妹に
首飾りのことを説明しました。
 でも、知っている人は誰もいません。
その日は小さな家に、その男の人を泊めてあげました。
 
 
 そして次の日、みんなで、まずは家の中を探し始めました。
それでも、首飾りは家の中にありませんでした。
 男の人は「一度町に戻って、他の場所でもう見つかったか
聞きに行ってくる。もし、まだ見つかっていないなら、
もっと人を大勢連れて戻る。」と言って、
支度をし、また立派な馬に乗って町に向かって走っていきました。
 
 
 それから2日経って、今度は別の人が、大きな馬車でやってきました。
荷台にはたくさんの人が乗っていました。
そして、後から来たもう一台の馬車には、人も乗っていましたが、
犬たちが乗っていました。
 
 そして、その人は「これから例の首飾りを探しに行く。
皆、一匹ずつ犬を連れて、この宝石箱の匂いを覚えさせて探すんだ。」
と言って、箱を見せました。
 馬車に乗って来た人たちは一匹ずつ犬を連れて、
納屋や羊たちの囲いの中や牧場のほうまでも探し始めました。
 
 ホープは急いで羊たちを牧場に出してやりました。
そして、たくさんの人間と犬たちを怖がっていた羊たちに
優しく声をかけて落ち着かせました。
それから、ホープはイエス様にみんなを守って下さるようにお祈りしました。
 
 
 しばらくすると、「見つけたぞ!」と大きな声が聞こえました。
みんなが駆けつけてみると、きれいな首飾りが木のうろに入っていたのです。
「ここはお前の家の土地だから、領主様に報告しなくちゃな。」
とお父さんの腕をしっかり掴むと、他の人達も集って来て、
お父さんを捕まえてしまいました。
 
 お父さんが小さな声で「神様、感謝します。どうか助けてください。」
と言ったのが、ホープの耳には聞こえてきました。
 
 ホープがお母さん、お兄ちゃん、妹と一緒に家に入ろうとすると
羊のジェムがホープに「どうしよう…。ぼくのせいだ…。
お父さんが捕まったのは、ぼくのせいなんだ!」と言いました。
 話しを聞いてみると、首飾りを見つけたジェムはあの木のうろに
大切にしまっておいたら、たくさん人間たちが来て、首飾りの周りに集って、
それから、お父さんを捕まえてしまったということでした。
 ホープはジェムに「今度、人の物を見つけたら、ぼくに聞いてね。
一緒にお父さんのためにお祈りしよう。」と言って祈りはじめました。
 
 
 その時、お父さんは馬車の中で揺れていました。
町に着くと、お父さんは牢屋に入れられてしまいました。
 お父さんは牢屋に入れられても感謝して神様にお祈りをし続けました。
 
 
 その日、人間の町の領主は夢を見ました。
その夢にはイエスという人が出て来て
「あなたの首飾りを盗んだと言われて牢屋に入っている羊飼いの男を
出して上げなさい。首飾りはあの男の息子が世話をしている羊が拾ったのです。」
と言って夢は終わりました。
 
 
 目が覚めた領主はとても夢が気になりました。
(あの不思議で清らかなイエスと言う人がわざわざ夢に現れて
羊が拾ったことを教えてくれたのだし、あの男のせいではないのだ…。)
そう思って、お父さんを牢屋から出してやることにしました。
 
 お父さんは「神様、感謝します!」と言って家に帰りました。
お父さんが帰ると、家族はみんなでイエス様に感謝して、感謝して、
言葉では言い表せない程感謝しました。
 
 
 
 
詩篇34:1〜4
私はあらゆる時に 主をほめたたえる。
私の口には いつも主への賛美がある。
私のたましいは主を誇る。
貧しい者はそれを聞いて喜ぶ。
私とともに主をほめよ。
一つとなって 御名をあがめよう。

私が主を求めると 主は答え
すべての恐怖から 私を救い出してくださった。
 
 
第一テサロニケ5:16〜18
いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。
すべての事について感謝しなさい。
これが、キリスト・イエスにあって神があなたがたに望んでおられることです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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主よ 私たちの主よ

あなたの御名は全地にわたり  なんと力に満ちていることでしょう。

あなたのご威光は天でたたえられています。

幼子たち 乳飲み子たちの口を通して あなたは御力を打ち立てられました。

あなたに敵対する者に応えるため復讐する敵を鎮めるために。

      詩編8:1、2

 

 

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