2018/8/25

雲の上の物語 4

4.コウモリのお話
 
 
 
 町の西の方にある大きな木のうろの1つに
小さなコウモリのサンが住んでいました。
 
 
 サンはコウモリなのに暗いところがこわくて、
みんなのいる洞窟に入れないので、
いつもひとりぼっちでした。
 それに、高いところも怖くて、
低いところしか飛べませんでした。
 
 
 果物を買うときも、お使いに来ていたコウモリに
「暗いところが怖くて、高く飛べないコウモリなんて初めて見た〜!」
とからかわれていました。
 
 だから、サンは自分は神様に愛されていないんだと思い始めました。
そして、教会へも行かなくなってしまいました。
 
 
 
 しばらく経って、それを心配したカラスの牧師さんが
サンに手紙を書きました。
 その手紙にはサンを心配していること、
今度会いに行くから、いつ行ったらいいか分かるように
返事がほしいと言うことが書いてありました。
 
 
 サンがその手紙を読むと
どうせ牧師さんが来たって、
神様がぼくを愛していないのは
変わらないからと思い、返事を書きませんでした。
 
 
 からすの牧師さんはサンから返事が来ないので
ますます心配になり、サンの為にお祈りしました。
 
 神様は牧師さんに知恵を与えて下さり、
サンの家にいつ行ったら良いかを教えてくれました。
 
 
 牧師さんがサンの家に行くとサンはびっくりしました。
「牧師さん、ぼくはあなたにお返事も書かなかったのに
どうしてぼくに会いに来たのですか?」
 
「神様が会いにいくように導いてくださったんだよ。
サン、私と話をしないかい?」
 
「だけど、牧師さん、あなたと話をしても、
神様がぼくのことをきらいなのは変わらないじゃないですか?」
 
「サン、きみはそんな風に思っていたんだね。
サン、神様はきみを嫌いになることは絶対にないよ。
これは私の考えや言葉じゃないよ。
神様のことば、聖書にそう書いてあるんだ。
 きみも前に使っていた聖書を読み返してみるといいと思うよ。
このみことば集をあげるから、それを見ながら探すといいよ。」
 
 からすの牧師さんは使い込まれたノートをサンに渡してくれました。
そして、「じゃぁ、又来るからね。」と言って帰って行きました。
 
 
 
 サンは初めは聖書を読む気がありませんでしたが、
何をしてもつまらないので、読んでみることにしました。
 
 すると、不思議です。サンの中に何か希望がわいてきました。
『神は光であって』『わたしは世の光です』
『あなたのみことばは私の足のともしび、私の道の光です』
 
 
 サンはこう思いました。
(神様が光だったら、神様と一緒にいたら、暗いところも
怖くないのかな?神様はぼくの光になってくれるかなぁ…?
今度、牧師さんが来たら、聞いてみようかなぁ。)
 
 サンは牧師さんが来ると、早速、聞いてみました。
「牧師さん、神様はぼくの光になってくれると思いますか?」
 
「もちろんだよ!
私だって、昔、沢山いたずらをしたもんだから、
近所の人たちはみんな困っていたんだ。
だけど、母さんがある日教会に連れてってくれたんだ。
それで、私は神様を信じたんだよ。
 
 神様、私の心の光になって、
正しい方向に向かわせて下さいと頼んだら、
そうできるようにしてくださったんだよ。」
 
 その言葉を聞いて、
サンはとってもうれしくなりました。
 
「じゃぁ一緒に神様に
きみの心の光になってくれるようにお祈りしよう。」
 
 牧師さんとサンは一生懸命お祈りしました。
 
 
 
 そして、暗くなって来ると、
サンは飛ぶ練習をしました。
始めのうちはスイスイ飛べたのに、
しばらくすると、
どっちの方向が家なのか分からなくなってしまいました。
 
 そこで、サンは神様にお祈りすると、
小さな星の様なものが降りてきました。
 よくみると、それはホタルでした。
 
「コウモリくん、どうしたんだい?」
 
「うん、ちょっと道に迷っちゃって…。」
 
「おいらと友だちになってくれるなら、協力するよ。」
 
「友だちになりたいよ!」
 
「分かった!じゃぁ、教えてあげるよ。ここら辺はよく来るんだ。
きみはあの木のうろに住んでいるんだろう?」
 
「うん、そうだよ。すごい。ありがとう。
そうだ!きみ、今日、ぼくの家に泊まっていかないかい?」
 
「いいのかい?もちろん、そうさせてもらうよ!」
 
 2匹は一緒に木のうろの家に帰って行きました。
 
 
 
 次の日の夕方には、2匹は洞窟へも一緒に行きました。
サンはもう高いところも暗いところも怖くありません。
神様に愛されていることも分かりました。
 
 
 
 洞窟のコウモリたちはサンとホタルが一緒に
飛んでくるのでびっくりしました。
コウモリの子どもたちも2匹のところに集まってきました。
 
 
 もうすっかりみんなと仲良くなったサンは、
心の底から神様に感謝しました。
 
 
 
 第1ヨハネ1:5
神は光であり、神には闇が全くないということです。
 
   

ヨハネ8: 12

イエスは再び人々に語られた。「わたしは世の光です。わたしに従う者は、決して闇の中を歩むことがなく、いのちの光を持ちます。」

 

 詩篇119:105

あなたのみことばは 私の足のともしび 私の道の光です。

 

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主よ 私たちの主よ

あなたの御名は全地にわたり  なんと力に満ちていることでしょう。

あなたのご威光は天でたたえられています。

幼子たち 乳飲み子たちの口を通して あなたは御力を打ち立てられました。

あなたに敵対する者に応えるため復讐する敵を鎮めるために。

      詩編8:1、2

 

 

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